支える会の皆様へ
こんにちは、もうすぐ年度末で気忙しい日々を過ごされているかと思います。
先日はNHKラジオ第2「視覚障害ナビラジオ」をお聴きくださり、誠にありがとうございました。放送後に会員になってくださった方や、短大に抗議・私へ励ましの電話をくださる方、新たにカンパくださる方などなど、様々な力強い支援をいただきました。本当にありがとうございます。
放送後から今までの状況を報告いたしますと、昨日(2月25日)14:30岡山労働局を代理人弁護士の先生2名と私の3人で訪問し、調停申請書を提出して参りました。対応くださった労働局の方からは、申請書の内容から私へのヒアリングを行い、申請書を受理するかどうか判断すること、受理された後は短大にヒアリングをし調停の可否を判断すること、調停にあたっては3名の調停員(弁護士1名、特定社会保険労務士2名)が2〜3回調停の場を設けることを、今後の流れとして説明いただきました。弁護士の先生から「調停にどの程度、時間を要するのか」との質問があり、職員の方は「特に期限は決まっていないが、裁判より時間をかけずに解決を図るという趣旨や、他の労働問題については3ヶ月程度との目安があることから、準じた対応をしていきたいと考えている」とのお答えをいただきました。
労働局から弁護士の先生の事務所に場所を移して、15:30からは記者会見を行いました。記者会見には出られないから…と労働局前で待たれていた記者の方を含めると約20名の方に足を運んでいただいたかと思います。記者会見では、まず弁護団長の水谷先生より本日の労働局訪問や訪問に至るまでの経緯などが説明され、続いて私から今の心境などを話させていただきました。県内の夕方のニュースで複数のテレビ局が報道してくださったようで、友人から「ニュースみた」との連絡をいただきました。その中で、NHK岡山はウェブニュースにもなっているからとリンク先アドレスを教えてくださった方がいらしたので、以下に貼り付けます。よろしかったら、ご覧ください。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20190225/4020002314.html
さらに、田中圭太郎さんと言われるジャーナリストの方に取材をいただいて、講談社ウェブマガジン「現代ビジネス」に、田中さんの執筆で私の件が記事になっています。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/60020
あわせて、皆様に読んでいただけたらとても嬉しく有難く思います。よろしくお願いいたします。
最近、気づいたことなのですが、そもそも裁判を起こす気などなかった私が提訴した理由は「学生たちに嘘をつきたくない」という思いからでした。持続可能な社会を目指すために目の前の問題から逃げずに取り組むことの大切さを伝えていた私が、この障害者差別・排除という問題から目を背けるわけにはいかない…という気持ちからでした。この気持ちは今でも変わらないのですが、もう1つ私の中にある気持ちに最近になって気づきました。それは「親を安心させたいと思う子ども心」です。いろいろ暗いニュースはありますが、基本的に子どものことを案じない親はいないと思います。特に障害や病気を持って生まれた子どもの親はなおさらかと思います。「自分が健常な状態で生んでやれなかったばっかりに…」と自責の念が強いように感じます。私の両親は既に他界していますが、年老いてからもなお時々帰省した私に「お前1人くらいは養える」と言っていました。私は自立して生活できていると親に安心してもらいたくて、就職を機会に実家を飛び出して今まで頑張ってきたように思います。それが視力がなくなったからと仕事を取り上げられて排除された…と泣いていたら、親はどんなに嘆き自責し苦しむのだろうかと考えると胸が締め付けられ心が痛みます。昨日も記者さんから「諦めようと思ったことはありませんか?」と率直な質問をいただいた時に、頭の中で母が言葉も出ずに涙をすーっと流している顔が突然浮かびました。母にこんな涙を流させたくない…それはきっと私だけの思いではなくて、障害や病気など何かしらの事情を抱える子どもたち全ての願いなんじゃないだろうか、と考えています。子を思う親の心配がなくなることはないのでしょうが、それでも子どもの頑張りを微笑んで見守れる…子どもは子どもでどんな障害や病気があっても自分らしく頑張っているから安心してねって言える社会にしたい…そう願わずにはいられません。この願いを叶えたいと、私の中で私の子ども心が叫んでいます。
障害に関わらず、どんな事情があっても自分らしく社会参加し活躍する共生社会、どんな障害や病気に見舞われても明るい未来を親子で描いていけるような社会が築かれますよう切望しています。共生社会実現に向けて何が必要か…考えるきっかけに私の件がわずかでも役立てばとても有難く光栄に思います。
皆様に関心を寄せていただき、応援いただいていることは全て共生社会の確立という私の願いを力強く支え、確かなものへと導いてくださっていると感じています。まだまだ問題解決には時間がかかりますが、へこたれずに取り組んで参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
皆様の温かく心強いご支援には言葉では言い尽くせない感謝の気持ちでいっぱいです。本当にいつもありがとうございます。
2019年2月26日 山口 雪子