JVTの歩み

1981年、国際障害者年の5月三日、西日本在住の教師、学生など数人が大阪に集まり、本会を結成しました。当時は、途中で視覚障害者となった先生は退職に追い込まれ、また、視覚障害学生は採用試験でも、点字受験を拒否されることがめずらしくありませんでした。
しかし、国際障害者年の追い風に乗って、翌年大阪の普通校で、全盲者の新採用と盲学校からの転勤がそれぞれ実現し、更に、全国各地においても視覚障害教師の現場復帰や新採用が地元の人々の支援を得て少しずつ広がりました。
本会では、発足翌年の1982年から年1回の定例研修会を全国各地で実施ししてきました。毎年30名を越す会員が一堂に会し、授業実践、教育実践の交流を行い、仕事を続けていく上での方策をみんなで考え合っています。夏の研修会は本会活動の大きな柱となっています。また、5月と12月に拡大役員会を実施し、会の運営に関する意見交換や実践交流、相談活動を行っています。
視覚障害者のインターネット普及に伴い、2001年、会のホームページを開設しました。2002年には会のメーリングリストを開始し、会員間の迅速な情報交換と親睦に役立てています。
会員個々の実践を集めた実践記録集をこれまでに3冊出版しました。これらの出版を通して、視覚障害教師の存在意義を広く一般の人に訴え、多くの共感の声をいただきました。さらに、NHKで放映されたテレビドラマにおいて、本会会員もその取材に協力し、視覚障害教師の存在が世の中に注目されました。
このようにして本会は拡大し、現在では会員数が100名を超えました。校種も中学校・高騰学校、盲学校を中心に、小学校、特別支援学校、大学へと拡大しています。担当教科は、英語科や社会科、数学科が多いですが、ほとんど全教科に及んでいます。各地で毎年のように教員採用試験の点字受験が実施されるようになり、合格して新規に採用されることがもはや珍しいことではなくなっています。
一方で、視覚障害を持つ教師が、その能力を十分に発揮できるための環境づくりには、まだまだ課題があります。必要に応じて会員から相談を受け、学校や教育委員会と話し合いを持って、理解を求めてきました。私立学校などで正当な理由もなく一方的に教壇を外されたり、待遇面で不当な扱いを受けたりした事例は、残念ながら決して過去のことではありません。そのような人権侵害の事例に対しては、全国の会員や支援者に呼びかけて、支援活動を展開してきました。
 2013年より、韓国視覚障害教師会120名との交流も行っています。相互に訪問し、両国の教師による実践発表や分科会での意見交換を通して、国の制度や文化の違いを超えて同じ視覚障害を持って教育に携わるものとしての悩みや喜びを共有することができました。今年度は「日韓国交正常化50周年記念事業」に応募し、韓国の視覚障害教師や大学生40名を日本に招き、やく1週間の交流研修ツアーを実施しました。国内だけでなく、海外の視覚障害教員との連携の1歩を踏み出しました。
JVTの発展は、30年前に本会を立ち上げた先駆者の粘り強い戦いと弛まぬ努力の上にあります。私たちは、研修と実践交流を通してさらなる可能性を模索しながら、新たな歴史を刻んでいきたいと願っています。


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