「サンダードルフィンに乗って来ました。」
全国資格障害教師の会代表 重田雅敏

5月7日、午後3時に集合し、昨年末、乗車拒否にあって悔しい思いをした、東京ドームシティーアトラクションズのジェットコースター、サンタードルフィンに乗ってきた。集ったのは12名の勇気ある面々、韓国からも2名の若い女性が参加した。

事の経緯は、韓国の視覚障害の先生たちが、都内見学をしたときに、3時間も寒空の下で交渉したにもかかわらず、規定に阻まれ乗せてもらえなカッたトいうもの。載せない理由は安全管理、一人で@非常階段が下りれない。A車両に乗り移れない。B座席前の足元が狭い。四安全ベルトが締められない。などという。また、杖を使う理由も、足の筋力を補うものか、目からの情報を補うものかの混同があったようだ。

何回かの電話での高尚後、1月13日に直接お会いし、視力障害による情報障害とはどういうものか具体的に実演して見せた。

運行管理責任者の方々は、とても謙虚でよく説明を聞いてくれた。その後、社内でも検討が進められ、スタッフの研修も重ねて、4月1日の障碍者差別禁止法に合わせて、全盲は同伴者つきで、弱視は単独で乗車が認められた。

いざ、その乗り場につくと、頭の上にゴーゴーというジェットコースターの轟音がとどろき、緊張気味の人、やけに元気な笑顔の人など色々だ。

運行責任者が挨拶に来てくれて、「ご迷惑をおかけしましたが、視覚障害の方も乗れるようになりました。みなさんをお待ちしておりました。」と話し、こちらからもお礼を述べてお土産を渡すと、一同大興奮、大きな拍手がわき上がった。

聞いてみると、4月1日に□障害者への乗車が解禁になってから、まだ乗りに来た人はいないとのこと、一番最初に乗ることになった矢部君とミンチャンペアが、記念すべき□障害者公式乗車の1号となった。

安全管理上、1車両に障害者を一人ずつ乗せる規定らしく、その後一行は次々に来る車両に同伴者とペアで乗車していく。

私は運行責任者と発着ホームで見送り係となり、色々話を聞いた。7名体制で運航しているというスタッフの方々も、研修を積んでいたらしく、視覚障害者に対して自然に対応してくれている。

ジェットコースターをスタートするためには、車両の先頭と最後部に待機しているスタッフが、安全を確認して同時にボタンを押さないとスタートできないとのこと、安全管理もしっかりしている。

音もなく静かにスタートしたジェットコースターは、あっという間に45度の急坂を駆け上がって消えていく。落下角度80度、最高速度130キロは怖い。あとは、ゴーゴーという音と、きゃああー、ぎゃあーという絶叫が聞こえるだけ。

1分半で次々にペアが無事に帰還した。女性は笑顔で、男性はほっとした表情だったとか、

ある意味で命の機器を乗り越えた面々からは、激しい動きに対応した興奮と、何かをやり遂げた満足感が伝わってきた。最後に集合し、運行責任者の方と全員が握手をして記念すべき今回の取り組みが終わった。

このように娯楽の分野一つを見てもジェットコースターのようにいくつも山を越えていかなければならない。

運行責任者が「喜んで乗ってもらう姿が一番うれしい。」と語るのを聞き、ここは共生社会だと実感した。


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