アンニョンハセヨ。KBTUソンセンニン。オジェヌン カムサハムニダ。
私が英語の授業を進める上で目指していることは、生徒が主体的に活動できる笑いある楽しい授業、そして「わかる」「できる」「世界が広がる」喜びを感じられる授業です。
「楽しい授業作り」の秘訣は自分も一緒に楽しむことだと思っています。
私は音楽が大好きなので、文型や単語の導入をよく歌やリズムに乗せて行います。重度の知的障害のある生徒でも、歌やリズムを使うと本当によく覚えて自然と会話ができるようになります。
曲は、市販の物を使うこともありますが、自分が教えている生徒の実態や状況に応じて作ってしまった方がいい場合も多く、自作することも多々あります。
文型や単語を定着させるためにゲームもよくします。トランプやすごろく、ナンバーコールなどを改良して使ったり、学校に来てくれる外国人教師に母国でするゲームを教えてもらったりもします。
「時間を計る」「競争させる」「じゃんけんで勝った人から」なども盛り上がる要素です。とにかく、生徒がリラックスして生き生き学習できる雰囲気作り、自然と英語をたくさん聞いてたくさん話せる環境作りができればと思っています。
また、授業作りで工夫していることは、生徒の状況を知るための対話を重視した授業です。
例えば、活動を始めるときには"Are you ready?"と聞き、かならず全員が"Yes."と答えてから始めるようにしています。最初は答えない生徒もいますが、毎回全員に聞くようにしていると徐々に全体への問いかけでも全ての生徒がしっかり答えてくれるようになります。
準備がまだの生徒は"Hold on."などと教えてくれます。単語テストや問題を解き終わったときは、"Finished."です。綴りがわからないときの"How do you spell 〜?"も生徒には重要なフレーズです。
学期の最後には、個別にその学期の授業の感想や今後への希望を聞きます。ある意味、ドキドキハラハラの瞬間です。
その中で、生徒のつまずきの原因を知ったことや授業改善ができたこともありました。これらのことは、生徒との信頼関係を築く1要素ともなりえると私は考えています。
墨字の生徒へのアルファベットの指導については、触っても形がわかるマグネットのアルファベットやアルファベットカードの横に点字を書いた物を使いながら行いました。
書きの指導については、2時間補助で入っていただいていた先生や外国人講師に大半はお願いし、私が単独で行うときにはレーズライターを使用しました。レーズライターと言うのは、プラスチック板の上にゴムが貼り付けてあり、その上に特殊なセロハン紙を乗せてボールペンで書くと、書いた文字が浮き上がって触ってもわかるというものです。
現在は、授業中は生徒に書いた内容を読み上げてもらい、プラスアルファでノートを定期的に他の教員にチェックしてもらって、随時必要な文字指導を行っています。自分でも生徒の文字の特徴や癖を確認したいので、ときどきオプタコンも使用します。
現在の課題としては、特に視覚的にアプローチした教材作りが難しいことです。
現在、葛飾盲学校に英語科教員は私一人なので、アイディアを形にすることが非常に難しいと感じます。アイディアはあれども、先天盲の私には、視覚的に訴える教材作りを単独ですることは不可能です。
同じ教科の先生が近くにいれば、教材作りを手伝ってもらってもその教材を共有することができます。しかし今の状況では援助を依頼することは、他の先生の貴重な時間をただ奪ってしまうことになると思うと、かなり心苦しいものがあるのです。
そこで、もともとは弱視の生徒のサポートのために入ってもらった教員に、授業時間内でプリントのレイアウトや単語カードなど教材作りの一部を手伝ってもらうことにしています。
このように悩みもありますが、自分のできる方法で自分の得意分野を生かしながら授業をすることで、生徒にも「こんな方法があるんだ」と知ってもらい、今後のなにかの参考にしてもらえたらと願っています。