2016年末、右目の視力を失った私は心身ともに限界に達していた。働き続けることはできなくなり、あえなく休職することになった。
 このとき私は、もう仕事をやめざるを得ないと覚悟し、ただただ将来を悲観していた。
 そんなとき、ロービジョンの専門医と出会い、福岡視力障害センター(福岡視力)の存在を知った。
 休職期間を延長し、私は福岡視力でリハビリを受けることになった。実際、それ以外の選択肢はなかった。
 2017年5月に福岡視力に入所し、歩行訓練、ロービジョン訓練、パソコン訓練と、今の自分に必要だと思う訓練を開始した。
 当初は果たしてこれで復職できるのか
と、疑問に思うこともあったが、先生方の献身的な指導を受け続け、年末には一通り訓練を終えることができた。
 魂の抜け殻となった私を訓練終了までこぎつけたのは、福岡視力の先生方のプロとしての信念と執念だったのだろう。
 リハビリを終えた私は、復職に向けて学校と話し合いを始めた。もちろん、学校側も視覚障害者の受け入れに大いに戸惑っていた。当時の人事係長と学科長が中心となり、学内に私の支援を考えるチームが結成された。
 メンバーは人事係長、学科長、事務部の幹部、同僚の教員、学校の看護師という全校あげての体制だった。チームと話し合い、私ができることできないこと、必要な支援について詰めていった。
 そのかいあり、私の復職に向けた原案が出来上がっていった。そして、2018年4月に私は復職した。

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